ゴムの種類と特徴:EPDM・NBR・シリコン・フッ素ゴムの比較

更新日: 2026-10-28

ゴム材質のサンプル
さまざまなゴム材質のサンプル(イメージ図)

工業用ゴムは、原料となるポリマーの種類によって、耐熱性・耐油性・耐候性が大きく異なります。 代表的なものはEPDM、NBR(ニトリルゴム)、シリコンゴム、フッ素ゴム(FKM)、CR(クロロプレンゴム)、天然ゴム(NR)です。部品が触れる温度と媒体(油・水・薬品)から選ぶのが基本です。

ゴムの種類と特徴の比較

材質(略号) 使用温度の目安* 耐油性 耐候性・耐オゾン性 耐水・耐蒸気 価格の目安
シリコンゴム(VMQ) 約−60〜+200℃ 劣る 非常に良い 良い 中〜高
EPDM 約−50〜+150℃ 劣る 非常に良い 非常に良い 低〜中
NBR(ニトリルゴム) 約−30〜+100℃ 非常に良い 劣る 良い 低
HNBR(水素化ニトリル) 約−30〜+150℃ 非常に良い 良い 良い 中〜高
フッ素ゴム(FKM) 約−20〜+200℃以上 非常に良い 非常に良い 普通〜良い 高
CR(クロロプレン) 約−40〜+100℃ 普通 良い 良い 中
NR(天然ゴム) 約−50〜+80℃ 劣る 劣る 良い 低

*一般的なグレードの目安です。実際の限界は配合、接触する媒体、使用時間によって変わるため、材料メーカーの資料で確認してください。

EPDMの特徴

EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)は、耐候性・耐オゾン性・耐水性・耐蒸気性に優れ、屋外のシール、建築用ガスケット、空調・給湯の配管部品などに広く使われます。比較的安価で、ブレーキ液(グリコール系)にも使われます。一方で、鉱物油やガソリンには膨潤するため、油の触れる部位には向きません。

NBR(ニトリルゴム)の特徴

NBRは耐油性・耐燃料性に優れた最も一般的な耐油ゴムで、Oリング、オイルシール、油圧・燃料系のパッキンに使われます。アクリロニトリルの量で耐油性と耐寒性のバランスが変わります。日光やオゾンに弱く、屋外では亀裂が出やすい点に注意が必要です。

シリコンゴムの特徴

シリコンゴム(VMQ)は、耐熱・耐寒の温度範囲が広く、耐候性もよい材料です。食品・医療向けのグレードがあり、色付けや透明品も作れます。一方、引裂強さや耐摩耗性は低く、燃料や鉱物油には向きません。

フッ素ゴム(FKM)の特徴

フッ素ゴムは、高温での耐油性・耐薬品性・耐燃料性に優れ、エンジン周り、化学プラント、半導体製造装置のシールに使われます。価格が高く、低温では硬くなりやすいため、用途を絞って使われます。

選び方の早見表

使用条件 第一候補
油・燃料・作動油に触れる NBR(高温ならフッ素ゴムやHNBR)
屋外・日光・オゾン・水・蒸気 EPDM
広い温度範囲、食品・医療用途 シリコンゴム
高温かつ薬品・燃料 フッ素ゴム
一般用途で、ある程度の耐油・耐候が必要 CR(クロロプレン)

よくある質問

EPDMとNBRの違いは何ですか?

ほぼ正反対の性質です。NBRは油や燃料に強い一方で日光・オゾンに弱く、EPDMは屋外や水・蒸気に強い一方で油に弱い材料です。油に触れるならNBR、屋外や水回りならEPDMが基本です。

シリコンゴムとフッ素ゴムの違いは?

どちらも耐熱性に優れますが、フッ素ゴムは油・燃料・薬品に強く、シリコンゴムは低温性・食品用途に向きます。価格はフッ素ゴムの方が高いのが一般的です。

耐熱性が最も高いゴムは何ですか?

一般的なゴムの中では、シリコンゴムとフッ素ゴムが耐熱性の高い材料です。さらに高い温度や特殊な薬品には、パーフルオロエラストマー(FFKM)などが使われることもあります。